ノンプロフィットマネジメントコース−博士後期課程
目的
現代社会においては、世界レベルでの紛争や環境問題から、生活者が暮らすコミュニティのレベルでの、福祉・医療現場の混乱、著しい高齢化への効果的対応の遅れなど、既存枠組みでの政治、行政、企業などのセクターだけでは解決不可能な課題、あるいは市場経済と行政組織だけでは対処できない課題が急激に増加しています。こういった課題に対して、市民が主体者として活動するNGO/NPO 等のノンプロフィット組織による問題解決をおこなう「社会イノベーション」が不可欠となっています。本コースは、このようなわが国におけるノンプロフィット組織への増大する社会的ニーズに応えるものとして、文理融合アプローチにより活動理論の研究と理工系の専門知識と技術をもちながら組織を形成・運営し、活動を持続するための理論と実践力を備えたノンプロフィットセクターの国際的リーダーとなるべく人材を育成しようとするものです。
コースの特色
コースワークの重視
高度な専門的知識と能力の修得には、効率的なコースワークが不可欠です。そのため必修科目として、社会イノベーションリーダーに不可欠となる、倫理学的基礎の上にコンプライアンスの必要を論ずる法哲学、社会とのかかわりで活動そのものの社会的評価を研究者自体が理解するための評価論及びコミュニケーションの基礎となる文章表現論、ノンプロフィット・セクター原論、イノベーションの組織論、特にマネージメントを論ずるノンプロフィット組織の経営論などがあります。さらに学生の興味により選択科目ノンプロフィット地球環境論、ノンプロフィット医療・福祉論、ノンプロフィットまちづくり論、ノンプロフィット国際人権論が学べます。
学生の適性と実績によって修士入学から2から3年でも博士学位が取得できるようにする一方で博士後期課程からの入学者、特に社会人に対しては期間延長を含めて柔軟に対処します。
実践的研究者を育成
インターン等社会的な活動を経た後、学位論文を書き上げ、ノンプロフィット組織(政府、自治体、NPO,NGO、研究所、国際機関、企業のCRS(社会的責任部局)、大学)で社会イノベーションを引起す自立した研究者の育成を目指している。
少数精鋭の教育研究
内外の意識の高い実践的リーダーあるいはそれを志向する学生6名程度(一学年あたり)で構成されきわめて密度の高い教育研究が可能である。
多様な研究活動
国内外の機関(NPO)、研究所(企業及び政府)、大学とのインターンなど、社会との接点、及び国際的環境での研究活動が可能となるように工夫されている。
学生の創造力、自立力
一年次以降に博士論文に係わるフィールドワークを含むリサーチプロポーザルを行う。この際学生の企画能力が試される。
学生のプロジェクト運営管理能力
マネジメントを学習させプロジェクト企画を学習するとともにリサーチプロポーザルでは限られた時間内での実験、社会調査の精度と規模などの設計、予算等の側面についても計画を立案させることによる科学的かつ合理的な研究企画能力を養える。
修士・学部教育との接続
社会工学以外の分野からの学生も十分履修できるように社会工学専攻修士課程にある制度設計理論(経済学)、公共システム、時空間デザインの3つのプログラムと密接に連携しているため、これらの分野の基礎と最先端の知識も学べる。修士課程のコースワークの履修が一部困難な場合は学生に学部講義を取らせることによって知識の不足等を補うようになっている。
企業、社会、他の大学院との連携
本コースは国内外の機関との十分な連携をとることを特色としており留学のみならず共同研究として既に国立環境研究所とは長い実績があるが今後UNEP(国連環境計画)等とも連携を図る。なお、終了後、新たな業種や分野への展開も可能なように外部の機関とも協力し個人の特性や適性にあった個別的な情報も提供する予定である。
社会人に配慮したカリキュラムとキャンパス
社会人学生にも配慮し、一部の講義を、土曜の集中講義などの形態で行う。
優秀な学生間のコラボレーション
各分野で活躍している社会人が学生として属することか教授陣からだけでなく多くの関連情報を学生同士で交換できる。
透明性の高いカリキュラム、博士取得プロセス
コースワーク、アドバンストキャンディデート制度、博士得点方式など、博士取得に至るプロセスが明確になっている。
カリキュラム
本コースでは、以下のカリキュラムを提供する。
必修科目
- 基礎科目
- 法哲学(2 単位)
文章表現論(2 単位)
評価論(2 単位)
- 専門科目
- ノンプロフィット特論(2 単位)
社会イノベーションの組織論(2 単位)
社会イノベーションとノンプロフィット・セクター2009(2 単位)
社会イノベーションとノンプロフィット・セクター2010(2 単位)
社会イノベーションとノンプロフィット・セクター2011(2 単位)
- 演習科目
- 社会イノベーション活動特別演習(2 単位)
プランニングアドミニストレーションAおよびB(各1 単位)
社会工学講究第五〜第十(各2 単位)
その他科目
- ノンプロフィトマネージメント特別研究第一〜第六(1単位)
ノンプロフィットマネージメント特別演習第一〜第六(1単位)
アドバンストキャンディデイトになるための要件
修士課程からの進学者を含めアドバンストキャンディデイトとなるための試験に合格しなければそれ以降の段階に進めない。
リサーチプロポーザルが3名の関連教員による審査に合格し(リサーチプロポーザル試験は30分発表 30分討論)、次のコースワーク要件を満足していること(なお原則として試験は1年終了時からから2年終了までの間に受ける)。
必修科目(法哲学、文章表現論、評価論、社会イノベーションの組織論、ノンプロフィット組織の経営論、社会イノベーションとノンプロフィット・セクター)。以下の11科目より5科目選択、都市デザイン・まちづくり特論、都市空間利用計画論、公共空間デザイン特論、社会空間特論、コミュニティーデザイン特論、計画組織デザイン特論、公共性の社会学特論、環境経済・政策特論、上級非協力ゲーム理論、上級ミクロ経済学、公共経済の理論と制度。なお社会人学生はノンプロフィット特別研究第1−6、ノンプロフィット特別演習1−6も含める。
博士修了要件
- アドバンストキャンディデイトとなっていること。
- 以下の演習セミナー科目を履修していること。
- 社会イノベーション活動特別演習(2単位)、プランニングアドミニストレーションAおよびB(各1単位)
- 修了年(3年)終了半期前 までに中間発表
- 博士得点が2以上であること。博士得点は以下によって算出
- 審査付論文 一本 1点
- ディスカッションペーパー(社会イノベーション業績(新たな仕組みづくりど)を報告書にまとめたもの、あるいは政策提言コンペ、建築・まちづくりの提案コンペなどの入賞なども含め、指導教員及びほか2名の関連教員の承認したもの) 一本 0.5点
とし、連名の場合、3人は 2/3 4人以上は 1/n
なお、同一論文で二つ以上の項目に該当する場合、上位の得点に換算する、同一の内容の論文は一回限りカウント
- 博士論文の審査、最終試験に合格
コース、プログラムの変更
指導教員の了解の下に変更前後のプログラム、コース主任に申し出て、承認を得ることが必要である。
社会人履修のモデルケース
1年〜2年次 コースワーク
1年〜2年終了時点で博士論文研究の提案を行う、必修単位を取得し、かつ提案が認められた場合、アドバンストキャンディデイトなる。
2年〜3年次 現場でのケーススタディ等を行いながら(社会イノベーション活動特別演習)、論文作成、関連教員とのディスカッション(プランニングアドミニストレーションA,B)
3年〜4年次 中間発表(修了半年前までに)、博士論文の研究活動を行う。
通常3年のところを無理なく4年で卒業を想定するが、6年などに延長しても可能。 |